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同族会社での経営企画部は、顧客に向けたPRを企画することが主な仕事内容でした。
私の勤めていた頃は創業100周年を目前に控えていたので、その件での企画立案が主な仕事でした。 具体的には、 顧客に向けたPR、社内イベントの提案の二つに分かれますが、私は前者の顧客に向けたPRを主に担当していました。
CMの作成案の構成やサイト内容の更新案、商社でしたので値引きの対応などの企画を何個か作り詳細を纏め、 会長・社長・専務他執行役員が出席する会議の議題として提案し、承認されればそれを掘り下げる、という作業の繰り返しです。 企画の立案だけでなく、会議スケジュールの調整や会議室の確保といった事務作業も行っておりました。
デメリットは、会長や社長の言うことが絶対になってしまうこと!
同族企業でしたので、会長や社長の言うことが絶対になってしまいます。 私が提案した企画でも、その効果の有無によって採用か否かが決まるのではなく、 会長や社長の理想に適っているか否かで採用が決まりました。 ですので、経営企画部といえば聞こえは良いのですが、 実質的には会長と社長の需要を探る部署というのが実態だったかと思います。
明確な基準もなく、その日の経営者の気分によって、会議の内容が左右されるのは大きなストレスでした。 また、お忙しい執行役員の方のスケジュールを調整して、会議の日程を決めていましたが、 会長や社長の気分が乗らないと延期になることも多々ありました。
一番の不満は、社長と会長が勝手すぎること!気分でこちらの仕事を増やさないで欲しい!
B to Bの商社でしたが、会長はTVCMに対する憧れが強いようで、CM案を推していました。 一般顧客に向けてPRすることに、どこにも意味はないのにCMに多額の予算をかけようと強くプッシュされた時は、「早く、この人失脚しないかなぁ」と思いながら、死んだ目で会議の進行をしたものです。また、社長は「会議は時間に合わせて迅速に行おう」が口癖の人でしたが、 自分の気分が乗らないと、せっかく抑えた日程や会議室なのに「今日はやめましょう」と突然に言い出す人で、 仕事の再調整をしなければならない身としては「かっこつけするくらいなら黙っててくれ」と泣きたくなりました。
逆に、社長の気分が乗った日には、17時までの会議が20時まで休憩なしで延びたこともあり、 会議の後に病院やデートなどの予定を入れることは早々に諦めました。 私は出席者とはいえ、執行役員ではなく、司会進行を担う立場でしたのでトイレ等にも行けず、 私の脳内での会議の議題は「100周年に向けたPR」というより、むしろ「これで膀胱炎になったら労災出るかな」というレベルでした。
もちろん、執行役員の方々もこんな二人に大きな不満を抱いていましたが、そこは同族企業、経営者に文句を言うことはできません。 そんな時の不満のはけ口は主に私たち運営側であり、よく叱責されていました。 最初は落ち込んでいましたが、次第に「役員報酬もらってるんだから、手綱くらい引いてくれ」と反抗的にしか考えられなくなりました。