目次
エステティック会社の店長は、店舗全体のマネージメントが主な仕事内容です。
店舗全般のマネージメントです。売上・在庫・収支・スタッフ・顧客管理など、店舗運営における全般の管理していました。朝は、開店前にエステティシャンの技術チェック。開店後はお客様が気持ちよく過ごせているか、エステティシャンは問題無く予約をまわせているか、カウンセラーはしっかりコースを案内・契約できているか、フロントは電話をもらさず取れ、来店予約を獲得できているか、他、用度や在庫など不足や不備は出ていないか等、営業中は店内を駆け回っておりました。
また、会社から与えられた売上目標をどのようにして達成していくか、その中でも効率よく利益を上げるためには店舗経費をどのようにしてどの程度削減できるか等、頭の中では朝目が覚めてから夜眠りに落ちるまで、そのことばかりを考えていました。
デメリットは、肉体的・精神的に負担が大きかったこと!
一言でいえば、肉体的にも精神的にも負担が大きかった事です。朝は開店前のスタッフの技術チェックの為、8時に出勤し、22時の閉店後も売上計算からスタッフの勤怠、在庫チェックなどで、毎日お店を出るのは23時半はまわっておりました。休日なども名ばかりで、何やかやで店舗に顔を出すことが多く、終日ゆっくり休めるなどということはほぼ無かったです。
休日を充てて出席する本社での全国店長会議でも、利益を上げられていない店舗の店長は「他の店舗に食わせてもらっている」と社長に罵倒され、挙句に管理が悪いと部長が殴られたこともありました。因みに、管理職でタイムカードなどありませんので、当然残業などは出ません。幹部教育の際に社長から「労基署に訴えるような奴は、今すぐ出ていけ!納得できないなら店長にはさせない!」と言われ、まぁ納得の上で務めてましたが、実際は原因不明の体調不良で点滴を打ちながらの勤務でした。
一番の不満は、顧客とスタッフの願望を叶えられる状態ではなかったこと!
一番の不満(腑に落ちなかったこと)は、お客様の「予約が入らない!」という不満を解消できるシステムではなかったことと、店長に対して課せる課題が大きい割に会社は何も尽力してくれなかったことです。私が勤めていたエステサロンでは、まず回数分のチケットをまとめて購入していただき、それを施術により消化していくシステムになっていました。単純に考えれば売上=お客様に借金、施術で消化=お客様へ返済です。ベッド数と1日の回転数(営業時間)は決まっていますので、月のマックスの消化数はおのずと決まっており、単純に考えても売上を上げた分だけ借金が増えていく仕様です。
また、チケットを持っている顧客数が多ければ多いほど、予約が入りづらくなるため、新規客を増やさず、既存客への継ぎ足しチケットばかりを販売するとなると、返済期間が長くなり店舗の負担が長期化します。かといって、新規開拓で新客を増やせば予約が入らなくなり、顧客満足度が低下し継続につながらない、また、カウンセラーは新規客には割引率を上げて高額な契約をとる傾向があったため、単価の低いチケットが増えていく、と今考えれば、店舗のキャパとチケットの販売単価や顧客数、そもそも売上目標に無理がありました。
内部でも、エステシシャンは施術し、消化した金額により給与が変わってくるため、なるべく割引せずにチケット単価を高く販売して欲しい、効果を出すために、しっかり予約を入れて通わせて欲しいと訴え、カウンセラーは顧客を継続させるためにも、エステシシャンにはしっかり効果を出して欲しい、それでなければ割引率をあげてお得度をアピールするしかないと訴えます。店舗に負担なく売上を作るために不可欠な化粧品等の物販もそうそうは伸びず、そもそも解消できないシステムなのが分かっている立場としては、顧客にもスタッフにも答えてあげることができず、会社に対して具体的な解決策を提案することもできないジレンマでとても辛かったです。
スタッフみんなで目標ややりがいを持って務めることができ、お客様に綺麗になっていただき、満足していただけるプロ集団になりたいと日々頑張っていましたが、ある日突然、いったい自分は何をしているんだろう、この先に何があるんだろうと、洗脳が解けたようにハッとし、辞めました。