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成分分析の仕事内容は、製品として作られたものの原料を分析することでした!
製品として作られた餌とその原料におけるカルシウムやリン、繊維、タンパクなどの栄養価の分析や特定の微生物が出ていないかの検査をしていました。成分分析は酸やアルカリなどの薬品を使い前処理をしてから、それぞれの栄養価を調べるための専用の機械を使って検査をします。
また、微生物検査は、特定の微生物が出るかどうかを調べるため、その微生物が繁殖しやすい培地を使って、4日程度かけて検査を行います。微生物検査では、かなりの数を検査する必要があったので、費用の安い培地を使用していましたが、使用する液体培地や寒天培地は全て私が作成していました。
デメリットは、男性と同じように仕事が出来ないこと!
検査することが私の仕事ではありましたが、会社としては工場として成り立っていました。男性の立場というか表立ったメインの仕事は男性が、検査や事務のような仕事は女性が、という風潮がありました。そのため、検査類の8割方は私が一人でやっているにも関わらず、私の仕事は誰にでも出来る仕事としてしか評価されず、地道な検査の仕事は私にやらせ、工場へ行き、危機管理や安全管理、検査のために必要なものなどを採取したり等をしている男性の方が評価されていました。
私も男性社員と同じような仕事がしたいと直談判した際には、女性だから危険、という理由で却下されました。分析が仕事の内容とは言え、男性の多い工場では女性は同じように仕事をすることが出来ない、ということがデメリットだと思います。
一番の不満は、男性ばかり評価が高く、ボーナスに影響が出たこと!泣き寝入りする毎日だった…
分析の仕事は、確かに覚えてしまえば、誰にでも出来る仕事かもしれません。しかし、勤務時間内に終わらせるように(とはいっても毎日1時間前後の残業はありましたが)、時間の調節を行いながら、しかも分析に必要なものも自身で揃えて、ということは時間に追われて大変なものです。お昼休みは遅く入ったり、早く終わらせることも多くありました。一度、男性社員にお願いしたら、私の分析点数をこなすことは出来ませんでしたし、残業時間がかなり必要になりそうだったので、次の日に残した、ということもありました。
しかし、それでも私のことは誰にでも出来る仕事としてしか評価されず、男性社員ばかりが評価される現実にモチベーションは下がる一方でした。評価がされない、ということはボーナスにも影響があります。私のおかげで評価される仕事をしている男性社員のボーナスは高く、犠牲状態になっている私はボーナスが低い、ということは本当に嫌でした。社長からは、君が男性なら出世したんだろうけど、女の子だから残念だね、とはっきりと言われたこともあります。
当時20代前半の私はまだ若く、ショックを受けただけで終わってしまいましたが、あれから約20年経ち、今の時代なら問題になる発言だと分かるのですが、当時は泣き寝入りするしかありませんでした。正直、転職も考えましたが、男性社会の向上ということを外せば、仕事は大好きだったので、辞めようとは思いませんでした。結局、結婚を機に主人の勧めで仕事を辞めてしまいましたが、辞めるようなきっかけがなければ、評価されない不満を抱えながら今でも働いていたかもしれません。