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トリマーは、家庭で飼育されている犬のカットやシャンプーが仕事内容でした。
お家で飼育されている、犬のカットやシャンプーをする仕事です。ペットブームといわれている今の社会では、一家族一匹だけでなく、多頭飼育する家庭も増えてきました。犬も人間と同じように毛が伸び、爪が伸びます。そうなると、飼い主さんの力だけではお手入れできません。
そこで、連れて来てもらった犬たちの爪切り、耳そうじ、シャンプー、ブロー、カットを全てします。それだけでなく、その時に皮膚に炎症がおきてないか、イボができていないか、夏になると虫が多くなるので、体にダニがついていないかなどの簡単なボディチェックも行い、飼い主さんに伝えます。
デメリットは、手が乾燥し過ぎてしまうこと!
仕事相手は人間ではなく、生き物なので言葉が通じません。そのため、じっとしていて欲しいときにじっとしてもらえず、刃物を扱っているのでとても危険です。なかには慣れていない犬はこわがってしまい暴れてしまったり咬んでしまい、ひっかき傷や咬みあとが絶えません。また、ずっと立ち仕事で重い大型犬を持ち上げたり、同じ姿勢でカットするので腰痛になります。
冬になると犬を毎日何十頭とシャンプーするので、手が乾燥してしまい、出血します。ハンドクリームを塗っても、すぐにシャンプーでおちてしまうので意味がなく、家に帰ってからも痛みます。お店によってはカットをやらせてもらえず、ずっと犬の世話だけが仕事になる場合もあります。
一番の不満は、カットをさせてもらえない会社もあった。本物の犬で経験しなくては、技術は向上しない!
預かった犬には、返すまでの時間が決まっています。そのため、飼い主さんが迎えにくる時間までに全ての作業を終わらせないといけません。そんな時に、暴れてしまう犬や咬んでしまう犬をトリミングするときには、とても焦ってしまいます。ハサミを使っているので、動くタイミングをよくみてカットしないと、皮膚を切ってケガさせてしまう恐れがあります。たとえそれでケガしてしまっても、当たり前ですが、犬のせいにはできません。ですので、細心の注意をはらって常に集中していないといけません。
また、咬んでしまう犬でもできる限りはトリミングしますが、トリマーは何度も咬まれる経験をします。もちろん咬まれてしまっても、飼い主や犬のせいにはできないので自己責任です。そのため、どうやったらその犬は落ち着くか、カットさせてくれるか、ハサミの角度をかえたり、体の支え方をかえたり、その犬にあわせて行います。中には、最初からカットさせてくれる会社ばかりではありません。契約では、犬のトリミング担当になっていましたが、ずっとお店の犬の食事や排泄の世話をやることになりました。トリミングはカットしなければ、いつまでたっても上達しません。人形でカットしたとしても、相手は生き物で予想外の動きをするのであまり意味がありません。ですので、多くの犬で実際に経験を積むことが技術向上になります。新人だったとしても、最初は簡単な作業からでも、実際に生きた犬に触れさせることが大切だと思いました。